

円高是正にはじまった株高が今なお継続し、景況感に明るいきざしが出初めている。選挙戦で掲げられた政権交代による数々の大胆な政策変更が、空手形ではなく着実に前進していることへの安心感と信頼感が市場を高値圏に張り付ける。
確かに民主党政権が大勝して政権交代を実現したときは、時代の要請であったのかもしれない。調子のいい、ばら撒き政策のオンパレ−ドに、財源の当てのない大ボラ吹きと冷静に批判するマスコミも国民もきわめて少数だった。自民党という強いものを叩くことで、失われた20年のガス抜きをした感があった。

子ども手当創設、高速道路無料化、高校の授業料無料化、農家への個別所得補償制度、公務員人件費2割カット、温暖化ガス25%カット、コンクリ−トから人へ、支出の財源は埋蔵金と公共事業カットと事業仕分けで捻出できる、などなどまさに舌好調そのものと言えた。景気のいい話ばかりで厳しい話は何一つない政権公約だった。政権の破綻より公約の破綻が先に来た稀なケ−スとして後世の笑い種となるような呆れたオチまでつくのだが。

与野党再逆転後の急速な円安・株高による企業生産活動と業績回復の動きが出始める中、必ずしもその影響を受けたとはいえない企業の中からも給料支給額アップ実施を行うなど、政財の一体感も出てきたことは喜ばしい。少しづつではあるが本物の「景気のいい話」が世の中のそこここに芽吹きはじめた。
これをアベノミクスの成果と持ち上げるつもりはないが、日銀人事の人選にしても着々とデフレ脱却態勢を整えつつあることは評価できる。景気の「気」とは気分の「気」である。気分を高めてくれるのが期待感であるわけで、そこをうまく刺激したのが安倍晋三首相なのだろう。
お正月にお年玉を3万もらって、それを使うのがその年の大晦日ではダメなんだ。正月の三が日で使う。景気とはその3万円が何人の手に渡ったか、何人を幸せにしたかの指標なのだ。1年で1回しか消費しない3万円か、毎月人の手に渡り年間12人の人が3万円分の喜びを享受するか。(いわいる乗数理論の一定割合は考慮しない前提で)穏やかな休日、皆さん買い物に出かけましょう。