

今日の東京市場は日経平均の終値で−1143.28円安、率にして−7.32%安となった。久しぶりの大幅な下落であることに違いないが、一部の報道では「日経平均株価が大暴落」などと、ことさら人心の不安感を煽り立てるような表現を垂れ流すセンセ−ショナリズムの横行が目に余る。おそらく今晩の一般ニュ−ス番組では、相場の上下動と、アベノミクスの成否をリンクさせる手法でアベノミクス批判をおもしろおかしく展開するニュ−スショ−で溢れることであろう。このようなメディアの報道姿勢に冷静さを失ってはならない。少なくとも当ブログに立ち寄っていただいている賢明な投資家の方々には、それらの報道を冷笑するほどの見識と洞察力があるものと信じたい。
本日の下落については、下げ幅(過去11位)、下げ率(過去10位)と、どう転んでも「大暴落」という表現が妥当とはいえないものだ。過去最大の下げ幅はブラックマンデ−時の−3836.48円安、同時の下落率で−14.90%となっている。幅・率ともブラックマンデ−時の半分以下であり、歴代の記録のベスト10すれすれの数字である。
ちなみに過去最大の下落といわれるブラックマンデ−翌日には、値幅で+2037.32円高、率にして9.30%急反発をしている。当時のことを鮮明に記憶する者としては、日経平均で1000円程度の上下動は相場の華と心得たいものだ。
外を歩くと、きょうはカラっとした気持ちのいい気候だ。兜町で起こった出来事で世の中が暗黒の闇に包まれることはなく、いつもと変わらない街の賑わいがあるはずだ。今日の市場をもって「日経平均株価が大暴落」などという表現はきわめて不見識であり、妥当なものではない。

