震災以降、テレビCMで「がんばろう、日本」の大合唱である。この状況に違和感を唱える向きが、確実に今の日本から減っていることに時代の変化を感じる。あまりに甚大な被害規模に、ここでイデオロギ−を振りかざすのも躊躇しているのかと好意的で解釈をしている。

いったいナショナリズムとはどのように定義できるのか。

ナショナリズムに関する定本として名高いア−ネスト・ゲルナ−著「民族とナショナリズム」における定義の的確さには議論を挟む余地は無い。

ゲルナ−が指摘するナショナリズムとは「政治的な単位と民族的な単位とが一致しなければならないと主張するひとつの政治的原理」であり、ナショナリズムの「感情」とは、この原理が脅かされたり、侵害されたときに現れる怒りであり、この原理が実現されることによる満足感である。ナショナリズムの「運動」とはこの種の感情によって動機付けられたものに他ならないという。

つまり、「がんばろう、日本」と芸能人が繰り返し出てきても、国歌斉唱や国旗の掲揚を入学式・卒業式にしようがしまいが、これだけ自由度の高い民主主義国家において、そのことで、政治的な単位(政権与党)と、民族的な単位を一致させることに貢献するよしもないのである。

しかるに現実は全くの反対で、あるいは、今の日本の政治的単位と民族的単位の紐帯を断絶する快感に浸っていると言えないだろうか?。

外国の論調は、これほどの被害に対して、冷静に、規律を乱さず、しかも献身的な日本人の姿勢に驚嘆さえしめしているという。日本の現実は、メディアをのぞいては、大震災に見回られても、いたって抑制の効いた行動と決して理性を失わない成熟した社会を作り上げてきた成果の上に成り立っているといっていい。

メディアは被災者のやり場の無い怒りを、国家・政治家への苦情にすり替えようとする。そのセンセ−ショナリズム(扇情主義)に嫌悪感を感じる感性が鈍ることのほうが、よほど危険なことである。(dfb)

(9501)東京電力・・・・・・今日も絶好調銘柄。余震で仕込んで成功。
明日は566円を取っ払ってくると大相場。いまでも十分大相場。
(8001)伊藤忠商事・・・・・東電だけが株じゃない。
(5201)旭硝子・・・・・・・・相性のいい1000円絡み 10円抜きにいい
(7752)リコ−・・・・・・・・ユ−ロ/円ならリコ−