兜町 放浪記

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2015年03月

税負担は親から子へ引き継がれて良いものだ

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今月14日に北陸新幹線が開業し、これまで東京から金沢まで3時間50分かかっていたものが2時間30分となり1時間20分も短縮された。週末のテレビは旅番組からグルメ番組まで北陸地方の魅力を紹介するもので賑やかである。

これまでの「失われた20年」では、幾度となく整備新幹線事業が税金の無駄使いとやり玉に挙げられてきた。首都圏と地方経済を高速新幹線で結ぶ構想に賛意を示すだけで政治家は「族議員」のレッテルを貼られた。そうした風潮に異論さえ口に出来ない暗黒時代を経験してきた。

消費税問題に限らず新たな国民負担増を必要とする税制論議がなされるとき、決まって金科玉条のごとく「子や孫に(後世)にツケを回してはならない」と迫られる。

税のモラルや財政規律を考えれば実にまっとうな考え方である。しかし同時にその金科玉条が正回答ではないことも正していかなければならない。

今を生きる私たちの暮らしを支える社会資本(インフラ設備)は、自分自身の収入から納税した金で整備されたものばかりではない。個人が成人し、職業を得て、人生の時間を切り売って他人にサ−ビスを提供し、その対価として収入を得るようになり担税力を得るまでに20余年の歳月が必要となる。

その間は既に出来上がっている道路を使え、公共建物を使え、乗り物を利用できる。安心して橋を渡れ、山道を上ることもなく、トンネルをくぐり山脈を通過することもできる。自分が生まれる前に税負担をしてくれた世代からの贈り物(便益)を無料で享受できる幸せを誰も気づきはしないのか。

いわゆる税の「フリ−ライド論」(ただのり)だが、良くも悪くもそうならざるを得ないところもある。赤字国債を発行しての公共投資が悪者扱いされるが、今より後世の世代がそこで築いた社会資本を利用できることを考えればあながち悪いことばかりではない。それより後の世代にとっていかに有意義な社会資本を残せるかに知恵をしぼることが大切であり、「借金」という概念でひとくくりにするのは偏った勉強不足の議論ではないだろうか。

基本計画策定から40年余の歳月がかかってようやく開通した北陸新幹線。この40余年という時間軸の間にどれだけの先人の思いがこめられてきたことか。この計画にたずさわってきた人の多くが、開通を見ることなく次世代にバトンをつないでくれたことをかみ締めたいものだ。
(5216)倉元製作所・・・2日連続のストップ高となる。買いの回転が利いており人気持続へ。
(3657)ポ−ルトゥウィン・・・・・1000円を固めじょじょに上値を追う態勢が整ってきた。

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今週の銘柄チェックリスト(3/30〜4/3)

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今週の東京市場は新年度入りを向かえ落ち着いた展開となりそうだ。先週末に先物で売り崩しのようなまとまった売り物が出はじめていたことを警戒する市場関係者は多い。

NY市場が「Sell In May」(セルインメイ)を心理的に感じやすくなるカレンダ−となることから、海外市場が不安定な相場つきとなることを念頭に相場に取り組む必要がありそうだ。

日経平均のこれまでのような異常な強さを継続できないと割りきりが増えれば、市場エネルギ−は新興市場に向かうと考えるのは無理がない。

新興市場で成長期待株としてテ−マ性を備えた銘柄は上値を追いやすくなる。独自技術や類似ビジネスモデルがないといった将来の有望製品や、新サ−ビスを手がける新興企業らしさを材料として語れる銘柄はクシャミが止まらないこの時期でも元気百倍で活躍してくれるだろう。

(5216)倉元製作所・・・・・押しても買われ、押しても買われと上げ方に力強さがある。人気持続。
(3664)モブキャスト・・・・・1000円〜1200円のゾ−ンで出没天国か。
(3776)ブロ−ドバンドタワ−・・・・・かつてガンホ−と並ぶ花形値嵩株だった栄光をもつ銘柄。1日の取引でも行って来いばかりのクセの悪さは相変わらず。それを忘れると痛い目にあう。
(2438)アスカネット・・・・・AIP技術の市場での認知度がようやく高まる。量産化確立もさることながら、もうひとつ肝である1:N技術の向上が図られれば、この株は末恐ろしいことになる。

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心配な負け組からの技術流出

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業績の悪化がつづくシャ−プが経営の再建立て直しのために国内外で6000人規模のリストラを実施することが報道された数日前であった。そして今度は中国の液晶パネルメーカーからの要請を受け(こちらからのお願いではないと言いたいらしい)、最先端の液晶技術の供与を検討していることが分かった。

それにより技術料として数百億円の収入が見込めるらしい。以前にもシャ−プは世界シェア5位の複写機部門で韓国サムスン電子との提携話が持ち上がり、そのときは先端技術の流出懸念から、同業他社からもプレッシャ−がかかり提携話が立ち消えになったと伝えられている。

技術は世界トップクラスでも商売に負けて已む無く先端技術からノウハウまでも叩き売り、命をつながなくてはならない日本企業は中国・韓国企業にとっては宝の山に映るだろう。

自分達が真似ることすらできない高機能商品を製造するノウハウを二束三文で手にすることができるわけだ。やがてそれは他の日本企業へ安値攻勢として跳ね返ってくる馬鹿げた構図が目に見えている。

シャ−プのような有名どころ以外にも、もしかしたら非上場であったり、或いは町工場レベルの会社ではもっと深刻な事態が起きているのだろう。負け組み企業から技術流出が懸念される。

(2323)fonfun ・・・昨日は出直りのストップ高。株価500円前後の壁を突き破れるか見どころ。

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今だ悲しき軍隊論争

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日本時間早朝に取引を終えたNY株式市場が292ドル安と大きく下押している。今日の東京市場はこのところNY市場の上げ下げに影響を受けにくくなっているものの、まとまった利食い売りの出やすい1日となる。

安倍首相が今月20日の参院予算委員会で自衛隊と他国との共同訓練について言及した中で、自衛隊を「我が軍」と述べたことが論争を巻き起こしている。

民主党の細野豪志政調会長は「これまで自衛隊という形で、憲法の枠組みの中で積み上げた議論を全部ひっくり返すような話だ。非常に理解に苦しむ」と旧来の玉虫色の政府見解こそベストチョイスとばかりの反応を示している。

たしかに唐突で思い切った発言である。というより、まったく意図的に総理側から議論を仕掛けているようにも見えてくる。そして野党勢力こそ触れたがらない安全保障政策の致命的矛盾である「自衛隊は軍隊ではない」「軍隊でなければ戦力ではない」「戦力でなければ憲法違反ではない」という観念的呪縛を世に問えるだけの、成熟した世論を味方につけている安倍政権でしか到達し得なかった発言であると思うのだ。

以前なら、総理大臣の「自衛隊は軍隊発言」となれば、日本のマスコミは勢いづいて中国・韓国の反応をうかがい、反発を煽りたてるのに必死となったはずである。これが20年前の閣僚発言であったら間違いなくクビが飛んでいただろう。

もはやこの両国に「思いやる」日本国民はいないはずだ。彼らはともに軍事力によって不当にわが国の領土・領海を侵犯して開き直る国柄である。

現在の集団的自衛権問題の議論を取り上げるまでもなく、平和と秩序の維持にはどこの国にも軍隊が必要であること。安倍総理の発言は、それを認めることさえ許してこなかった自己矛盾を告白したにすぎない。

(4736)日本ラッド・・・昨日はストップ高の急伸。ビックデ−タ関連の小型材料株として熱い展開がはじまる。

日銀の株保有が10兆円に

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日銀の株式保有額が10兆円を突破した。昨年10月末に約130兆円の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用の基本ポートフォリオ(資産構成割合)を見直し、国内株式を現行の12%から25%に引き上げると発表したことにより、市場ではGPIFをクジラにたとえるが、日銀もまた大きさは及ばないが立派なクジラである。

ともに日本株の需給を改善する救世主である。しっかりと運用益を上げてもらわなければならないが、今は買い手の立ち位置であるから良いものの、将来、人目を忍んで売り切れるか心配でもある。

だからこそ、投資対象となるような国内の超優良企業は株主還元に真剣に取り組み、配当性向の向上に努めるべきである。配当利回りが金融商品のひとつとして十分戦える数字を上げることが求められる。

そうなれば株式は立派な長期保有に値する金融商品となろう。マイナス金利でも大騒ぎしなくなった世の中である。株式市場が国民の財産である意識もいよいよ高まるのはすばらしいことではないか。

(5381)Mipox・・・3Dプリンタ−で成形したアクリル樹脂製の造形品の表面加工用の研磨フィルムを手がける。四季報予想では業績も安定感を増しつつある。
(3657)ポ−ルトゥウィン・・・・・株価は1000円のフシを払いに来た。壁を突き破れるかのタイミング。

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